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La Maison Rustique の挑戦──カリフォルニア×日本チームで手掛ける、長野県高山村でのはじめての一本

2026年9月10日(木)、La Maison Rustique Vigneron Team をはじめとする11名のメンバーと、 今回のために来日したワインメイキング・スーパーバイザーのStéphane Vivier 氏が、 はじめての一本に向けて長野県高山村に集まりました。

いよいよ、私たちにとってはじめてのワイン造りです。 今回は、収穫から醸造開始までの3日間についてレポートします。

高山村の契約農園で、収穫に向けた準備

動き始めたのは、2026年7月8日(水)。夏の太陽が照りつける、暑い一日でした。

「アメリカ・カリフォルニアにいるVivier 氏とFaceTime でリアルタイムにつなぎ、 画面越しに、たわわに実るぶどうを見せながら収穫タイミングを議論しました。 8月中旬からは、1週間おきに分析を実施。酸度、糖度の数字を追いながら、収穫期を探る日々が続きました。

Vivier 氏の評価は「Clean」。契約農家さまからも「今年はなりがよい」というお言葉をいただき、 一同、収穫への期待が膨らんでいきました。

雨が続く中、束の間の曇り空での収穫

スプリンクラーで水をまくほどの好天な日々から、一転。 2回目の分析があった8月24日前後から、雨が続きました。

高山村の7月の降水量は38mm。8月は264.5mm。※気象庁「笠岳(長野県)2026年(月ごとの値) 詳細(降水量)」 7月と比べ、約7倍の降水量となりました。病害リスクの高まりや、 糖度が上がりきらないことなどが懸念になります。病気や酸の低下のリスクを抱えながらも、糖が上がるのを待つべきか。 難しい判断が続きました。

さらに、委託をお願いする先には、他のワイナリーの方々の予約も次々と入り始めていました。 タイミングを見極め、収穫は9月10日(木)。あとは、天候を祈るばかりです。

収穫前日、9月9日(水)も大雨。来日したVivier 氏も、日本の雨の激しさに驚いた様子でした。 直前まで順調だったところへの、急な天候の変動。「厳しい条件の年になるのではないか」という会話もありましたが、 自然が相手である以上、こればかりは仕方のないことでもあります。 厳しい条件の年だからこそ、どんな一本に仕上がるのか。期待も膨らみます。

不安と期待が入り混じったまま迎えた収穫当日。 なんとか曇り空になり、安堵とともに、午前7時30分、シャルドネの収穫開始です。

畝の間にコンテナをセットし、一斉に手を動かす。その光景に、 苗木が実をつける3年後の景色を思い描きました。

収穫で大切なことについて、Vivier 氏はひと言、「Eat」。 味を知らなければ、良いワインは造れません。まずは、口に含み、香りに集中すること。 表面だけでは分からない、房の内側に潜む傷み。とくに今年のような多雨の年はリスクが高まる灰色かび病にも、 一房ずつ注意を払いながら取り除いていきます。

収穫量は約1t。素早く、かつ一房ずつ状態を確認しながら、選果を進めていきます。 あっという間にコンテナ満杯までぶどうを収穫し、鮮度を保ったまま、醸造所へ運び込みました。

「委託醸造」という試み

醸造所に着いたら、すぐに圧搾へ移ります。
まずは500kg。
通常よりゆっくりと、圧力を少しずつ高め、実、皮、茎から果汁を搾り出します。 圧力のかけ具合も、機械の回転数も、Vivier 氏と細かく確認しながらの作業です。

透き通ったジュースからは、青りんごのような香りが漂います。 約6時間かけて1tすべてを搾り、一日寝かせたのち、テイスティングと分析を行い、 発酵にむけた最終調整に入ります。

日本とカリフォルニアでは、ワイン造りに用いることのできる酵母や薬品に関しての規制が異なります。 輸入と使用の可否を一つずつ確認する必要もあり、日本の制度の中でワインを造るための確認を重ねました。 どんなワインにしていきたいのか。そのハードルに向き合いながら、 Vivier 氏や関係者一同で、それぞれの経験をもとに議論を重ねてきました。

圧搾から2日後。タンクを覗くと、底には澱がたまっています。 透き通って輝くジュースだけを発酵用タンクへ移し、酵母と清澄剤を投入。 下から上へ、丁寧にかき混ぜます。



どんな味わいが引き出されるのか。 この後は、細やかな調整と温度管理を続けながら、仕上がりを待ちます。

Stéphane Vivier 氏と、一本に向けて

コルクのサンプルが届きました。最初のワインが、すぐそこまで来ています。

今回の委託醸造では、委託醸造先、Vivier 氏、 そして私たちの三者で、細部まで相談を重ねながら進めてきました。
その時々の状況、それぞれの経験、そしてワインに対する思いを持ち寄りながら、 形にしようとしている一本です。

私たちそれぞれがどんな背景で人生を歩み、ここに集い、何を一緒に目指しているのか。
Vivier 氏は、家族のように時間をともにすることを大切にしていると話していました。

栽培担当も、醸造担当も、そして関わるすべての人が会話を重ね、経験をともにする。
私たちのワインを楽しみにお待ちいただける皆さまにも、ぜひこのプロセスも含めて、見守っていただけるとうれしいです。

▼La Maison Rustique にご興味のある方はこちらをご覧ください。
https://www.la-maison-rustique.com/

結びに、代表・塩川より、皆さまへメッセージです。

今回、収穫から醸造の現場に立ち、あらためて感じたのは、ワインは人の思い通りにはならない、ということでした。

天候も、ぶどうの状態も日々変わります。その変化を受け止めながら、 皆で考え、一つずつ判断していく。自社栽培、自社醸造を迎える前の今だからこそ、 この経験のすべてが、私たちにとって大切な学びになっています。

収穫したぶどうがどのような味わいのワインになっていくのか。 チームでテイスティングを重ね、醸造工程による違いを確かめ、 同じ品種・ヴィンテージの東御のシャルドネとも比較する。 ワインを造ることだけでなく、味わいを理解する時間も重ねています。

そして、Stéphane さんと丸5日間をともに過ごしたことで、 技術だけではなく、彼がワイン造りで大切にしている哲学にも、 チームとして深い共感が生まれました。

そんな時間の中から、このタイミングだからこそ生まれたキュヴェ名も決まりました。

この一本からできるだけ多くを学び、東御の畑へ、そしてLa Maison Rustique のこれからへつなげていきます。

最初の一本がどのようなワインに育っていくのか。そして、 どんな名前をまとって皆さまの前に現れるのか。ぜひ楽しみにお待ちいただけたらうれしいです。